建築設備 設計監理
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設備設計の役割


全建設工事費に対する設備工事費の割合も一昔前の10%から25%へ、特に病院や研究所では50%を超そうとする状況です。

一方では、イニシャルコストに比べ、建物のライフサイクルコストに占める建築設備関連の割合は極めて大きな比率となります。


建築物の寿命が50年としても、残念ながら設備機器の寿命はそれほど持ちません。
また、技術の進歩に伴い新しい機能を持った機器との入替が必要なこともあります。
コンクリートの寿命と設備機器、配管およびダクト等の寿命を比較しても土俵が違うため、建物の寿命へのかかわり方が違います。
建築設備は建築物の一生の中で何度かの更新をする必要があります。



一方で、ランニングコストに目を向けると、これは圧倒的に建築設備の関与する割合が高くなります。

ランニングコストにかかわる設備機器やシステムの選定は、すべて設備設計の範疇です。
また、断熱などの部位を設計するのは建築士ですが、その計算(空調負荷計算等)をするのはすべ て設備設計なのです。



建物のデザイン性とは別に、その建物を使用し始めてから居住者や管理者は様々な問題に直面します。
ほとんどは設計時に施主側が考慮しきれなかった項目です。そして、その中には設備設計の範疇に含まれる項目が極めて多いのではないでしょうか。

したがって、設計の基本段階から意匠、構造および設備の設計者が参画して十分な検討をする必要があります。

建築の設計図がほとんど終了した段階で、そこに付け足していくような設備設計では、建物全体の利便性を大きく損なうことにもなりかねません。



一般の方々は、設備設計の存在とその業務、そして建物に対する重要性について詳しく知っていることは少ないでしょう。

しかし、建築設備をトータルマネージメントする設備設計の役割は実は大きいのです。
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